マイクロ波は広い技術的な意味で電波の一部です。共通するのは電磁界、真空中の速度、物質との相互作用、エネルギーと情報の輸送です。別々の物理法則に従う二種類の波ではありません。
1. 電界と磁界で表す波
伝搬する電磁波は電界と磁界で記述します。自由空間の理想平面波は横波ですが、アンテナ近傍や導波構造では場の関係が異なる場合があります。
マイクロ波の境界は文脈によって異なり、約300 MHz–300 GHzや下限を1 GHzとする慣用があります。名称の境界で電磁気の法則が突然変わるわけではありません。
2. 真空中では同じ速度
真空中ではc = 299,792,458 m/sです。60 GHzが100 MHzより速く進むことはなく、周波数と波長はλ = c/fで結ばれます。
| 周波数 | 自由空間波長の概数 |
|---|---|
| 100 MHz | 3.00 m。 |
| 900 MHz | 33.3 cm。 |
| 2.4 GHz | 12.5 cm。 |
| 60 GHz | 5.00 mm。 |
材料内や導波管では位相速度と群速度を区別します。式に無条件でcを代入せず、媒質とモードを確認します。位相速度がcを超えても情報の超光速伝搬を意味しません。
3. 反射・屈折・回折と吸収
いずれも同じ基本法則に従いますが、結果は波長、材料、形状、入射角と偏波によります。銅が常に正確に99%を反射するという共通値はありません。
壁や開口の電気的な大きさは波長に対して決まります。反射した複数経路の位相が重なると、場所ごとに受信が強まったり弱まったりします。
自由空間で距離とともに受信が弱まるのは空間的な広がりによる面もあり、すべてが媒質の吸収ではありません。遮蔽と吸収と多重経路を分けて評価します。
4. エネルギーを運び、吸収されると加熱し得る
電力はW、周波数はHzです。高周波数だから送信電力も必ず大きいわけではありません。E = hfは一光子のエネルギーで、信号全体の電力とは別です。
損失のある材料はRFエネルギーを吸収して加熱します。電力、時間、場の分布と材料特性が必要で、同じ周波数の通信機と加熱装置が同じ作用を持つわけではありません。
家庭用電子レンジで広く使われる約2.45 GHzは自由空間波長約12.2 cmです。水分子に対する唯一の普遍的共振周波数ではなく、食品組成や温度で吸収は変わります。
5. 変調により情報を運べる
振幅、周波数、位相またはその組合せを変化させて情報を伝えられます。約100 MHzのFM放送と2.4 GHzのWi-Fiは例で、各帯域に可能な唯一の方式ではありません。
データ速度は帯域幅、信号対雑音比、変調、符号化と資源配分に依存します。2.4 GHzの搬送波は2.4 Gbit/sを意味しません。波の速度と情報量を区別します。
大気と電離層は異なる機構
60 GHz付近の酸素分子による吸収とHFの電離層伝搬は同じ現象ではありません。電離層にも吸収がありますが、両方を同じ分子吸収線として説明できません。
雨、ガス、仰角と経路長が減衰を変えます。全周波数・全リンクに共通する一つのdB/km値は使えません。
実装で必要な比較
アンテナ寸法には周波数とパターン、距離には全リンク収支、速度には帯域幅と品質が必要です。障害物は材料と幾何で判断します。
ITU-R V.431の名称とITU-R P.676のガス減衰を参考に、同じ条件で比較してください。