マイクロ波は電波の一部です。別の物理現象として対立させるのではなく、マイクロ波リンクと低い周波数のリンクについて、伝搬・アンテナ・通信資源を条件付きで比較します。
周波数・波長・データ速度
マイクロ波の境界は慣例によって異なり、約300 MHz~300 GHzとする場合や、下限を1 GHzとする場合があります。電波全体を3 kHz~300 MHzだけに限定する説明は適切ではありません。
搬送波周波数は信号スペクトルの位置、帯域幅は占める周波数範囲、データ速度は毎秒のビット数です。搬送波10 GHzは10 Gbit/sを意味しません。
真空ではどちらも同じcで伝わり、λ = c/fです。100 MHzは約3 m、10 GHzは約3 cmです。衛星リンクの遅延は経路長や処理に関係し、マイクロ波だけが真空で遅くなるためではありません。
1.伝搬と障害物
多くの地上マイクロ波リンクでは、見通しとフレネルゾーンの確保を検討します。回折、反射と透過は、材質、厚さ、角度と波長に対する物体寸法に依存します。
低い周波数ならどんな壁も通り、マイクロ波なら一切通らないという規則はありません。5 GHzが2.4 GHzよりすべてのコンクリート壁で70%多く損失するという固定値も使えません。
一部の周波数では雨や気体吸収が重要です。60 GHz付近の酸素吸収は周波数依存の例で、すべてのマイクロ波に同じdB/kmを与えるものではありません。HFの電離層経路は別の伝搬条件です。
2.アンテナと開口
同じ物理開口なら、高い周波数でより高い指向性を得られる場合があります。地上固定リンクで実用的な大きさの反射鏡やパネルから細いビームを作る理由の一つです。
ただしマイクロ波にも無指向性アンテナがあり、低い周波数にも八木や指向性アレイがあります。マイクロ波は常にパラボラ、ラジオ波は常に無指向という分類は誤りです。
理想的な遠方界の自由空間損失はLFS = 20 log10(4πr/λ)です。両端の利得を一定にすると高い周波数ほどこの項が大きくなります。物理開口を一定にする比較では利得も変化します。
距離10 kmで900 MHzなら約111.5 dB、28 GHzなら約141.4 dBです。20 dBと80 dBではありません。この計算には地形、雨、気体やケーブルの追加損失を含みません。
3.利用帯域と容量
一部のマイクロ波帯には広いチャネルを使えるサービスがあります。具体的な割当て、装置と方式を確認します。変調、符号化、SNRと空間再利用も容量に影響します。
アナログとデジタルの方式は複数の帯域で使えます。マイクロ波だから必ずデジタル、低周波だからAM/FMだけということはありません。低い周波数の電波全体を1~100 Mbit/sに限定しません。
インターフェースの最大値と実効速度も区別します。混雑、干渉と再送で利用者の速度は変わります。
信号・送信機・リンクを分ける
信号は情報を運ぶ電磁的変化で、送信機はそれを生成してアンテナへ電力を渡す装置です。リンクには両端の機器、アンテナと経路が含まれます。
送信機100 Wだけで半径50マイルのカバーを保証できません。受信感度、雑音、偏波、利得、損失と伝搬条件を含めます。地上中継と衛星は同じ帯域でも距離と遅延が違います。
用途ごとの比較項目
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 経路 | 距離、地形、見通しと障害物。 |
| サービス | 帯域、チャネルと対応端末。 |
| 通信 | 実効容量、遅延と可用性。 |
| アンテナ | 設置後のパターン、偏波と追尾。 |
| 環境 | 雨、干渉と雑音。 |
分類の概要はNASAの電波解説とマイクロ波解説、自由空間の条件はFriis式を参照してください。帯域名だけで優劣を決めず、必要なサービスの収支で選びます。