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無線アンテナの種類と原理|ダイポール・ループ・八木

無線で使う代表的なアンテナには、ダイポール、モノポール、ループ、パッチ、八木・宇田、ホーン、反射鏡があります。形式だけで利得や周波数が一意に決まるわけではありません。寸法、給電、材料、周囲の構造を含めて選定します。

種類を比較する前に決める条件

使用周波数と帯域、相手の方向、偏波、設置空間、給電インターフェースを整理します。自由空間波長はλ = c/fで、2.4 GHzでは約125 mmです。物理寸法と波長の比が動作を考える基礎になります。

無指向性は通常、方位角など特定の面で広い方向をカバーする意味です。全方向へ均一に放射する理想的な等方性とは異なります。最大利得が高くても、必要な方向がヌルに入れば受信には不利です。

ダイポールとモノポール

半波長ダイポールは2本の導体を中央で給電する基本構造です。細い導体を用いる理想的な自由空間モデルの最大指向性は、線形値で約1.64、dBiでは約2.15 dBiです。1.64をそのままdBiと書くのは単位の誤りです。

軸方向にヌルがあり、軸に垂直な方向へ強く放射します。入力インピーダンスは長さ、太さ、地面や周囲の影響を受け、常に50 Ωまたは75 Ωになるわけではありません。同軸給電ではバランやチョークによる電流制御も検討します。

モノポールは接地面やカウンターポイズと組み合わせます。無限の理想導体平面上に置く1/4波長モノポールは上半空間へ放射し、最大指向性は約5.15 dBiです。実際の有限接地面では特性が変わります。「モノポールは必ずダイポールより5~10 dB低い」という規則はありません。

ループアンテナ

波長に比べて小さいループと、周長が1波長に近いループは別の動作を示します。小型ループでは磁界との結合、方向性のヌル、導体損失、同調帯域が重要です。AM受信用フェライトアンテナでは、コアの材料と巻線も影響します。

単にループという名称から、高効率や広帯域を保証できません。周長、給電点、取付方向まで確認してください。

パッチとプリントアンテナ

パッチは基板と接地面を使う平面構造です。薄型機器に組み込みやすい一方、誘電体、厚さ、給電位置が共振と帯域を左右します。単純なパッチと多重共振構造、アレイでは性能が異なります。

線偏波も円偏波も設計可能ですが、外観だけでは判定できません。ケース、バッテリー、人体などを含めた状態で、整合と放射を確認します。

八木・宇田アンテナとアレイ

八木・宇田アンテナは給電素子と反射器・導波器などの無給電素子を使い、特定方向の放射を形成します。素子の長さと間隔は相互に影響するため、単独で最適化できません。素子を増やせば一定量ずつ利得が上がるものでもありません。

テレビ受信やアマチュア無線などでは、対象帯域、偏波、前後比、設置方向を合わせます。複数の給電素子を使うアレイでは、振幅と位相の制御によってさらに異なるパターンを作れます。

ホーンとパラボラ

ホーンは導波管から広がる開口を利用し、マイクロ波測定や反射鏡給電に使われます。パラボラは給電部と反射鏡で大きな有効開口を構成します。同じ周波数・効率なら大きな開口ほど高指向性を得やすく、ビームが狭くなるため指向調整が重要です。

パラボラ利得の共通上限が30 dBiというわけではありません。周波数、寸法、開口効率と損失から評価します。

選定と検証で見る項目

項目 確認点
帯域 中心周波数だけでなく帯域端の性能。
パターン 必要方向の利得、ビーム幅、サイドローブ、ヌル。
偏波 相手側との向き・旋回方向の整合。
整合と効率 S11だけで放射効率を判断しない。
取付条件 給電線、接地面、ケース、支持金具を含む条件。

基礎はダイポールの解説と利得の定義を参照してください。衛星通信向けにはDolph MicrowaveのSATCOMアンテナを帯域と給電方式で比較できます(英語)。

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