アンテナへの給電路を導波管と同軸から選ぶときは、両端の接続、実際の配線経路、可動範囲、電力と検収条件を先に整理します。「5 GHz以上なら導波管、6 GHz未満なら同軸」という境界では選べません。本稿は完成した給電アセンブリの仕様と発注確認に焦点を当てます。
1.アンテナと送受信機のインターフェース
両端のコネクタまたはフランジを図面で確認します。同軸の場合は型式、性別、基準インピーダンスと使用可能帯域、導波管の場合は断面、フランジ形式、位置決めとシール条件が必要です。
同じWR番号でもフランジが無条件に互換とは限りません。コネクタを機械的に接続できても周波数・電力仕様が適合するとは限りません。変換器を入れるなら、その部品も一式の見積もりに含めます。
2.全経路を図にする
長さだけでなく曲がり、ねじり、固定点、工具の作業空間と着脱方向を記載します。同軸でも最小曲げ半径、引張荷重と繰り返し曲げの条件があります。
導波管の曲げ部品にはE面・H面などの区別があり、任意の半径で現場加工できるものではありません。フレキシブル部品は位置調整に便利ですが、許容ねじりや曲げ寿命を製品仕様で確認します。
3.可動部と屋外条件
一定角度の動きと連続回転は違います。アンテナが繰り返し動くなら、静止状態の損失だけでなく位相変動、疲労、支持と寿命を検討します。連続回転には用途に応じたRFロータリージョイントなどが必要になります。
屋外では水、結露、温度、腐食と圧力条件を整理します。IP等級はRF損失や気密性能のすべてを保証しません。シール、窓や乾燥系が必要なら個別に指定します。
4.帯域と電力を部品ごとに確認
WR-90の一般的な使用帯域は8.2~12.4 GHzです。矩形中空導波管のTE10は遮断を持つため、任意の低い周波数まで使えるわけではありません。同軸も高次モードやコネクタの限界を確認します。
電力は平均・CWとピークを分け、温度、圧力、パルス幅と負荷反射条件をそろえます。導波管なら一律10 kW、太い同軸なら一律300 Wという比較は成立しません。窓や変換器が制限箇所になる場合もあります。
発注比較表に必要な情報
| 項目 | 要求の書き方 |
|---|---|
| 周波数 | 開始・終了周波数と使用モード。 |
| 両端 | 完全なインターフェース指定と基準面。 |
| 経路 | 長さ、曲がり、可動範囲と固定点。 |
| RF特性 | 周波数別の損失、反射と必要な位相条件。 |
| 電力・環境 | 平均・ピーク、温度、圧力と屋外条件。 |
| 受入れ | 図面、検査方法、測定データと追跡情報。 |
典型値と保証上限を混ぜず、直線部だけの損失と完成品の損失を区別します。数値計算は導波管と同軸の総損失予算で確認し、ここでは仕様の抜けを防ぎます。
納入時と組付け後の検収
型番、両端、寸法と外観を照合し、異物や損傷がないか確認します。接続方法は部品指定に従い、汎用の導電ペーストや締付トルクを適用しません。
適切な基準面でSパラメータを測り、可動用途では指定姿勢や角度も確認します。低電力測定の合格だけで高電力耐性や機械寿命を証明したことにはなりません。
原理・計算・部品を結び付ける
基本原理は導波管と同軸の違いを参照してください。部品の導波管・同軸変換器も含めて、接続できることと要求を満たすことを別々に検証します。