マイクロ波は電磁波の周波数領域を表す言葉で、アンテナは電磁波を空間へ放射したり受信したりする装置です。したがって、両者は対立する種類ではありません。マイクロ波を送受信する装置がマイクロ波アンテナであり、導波管はそのアンテナと送受信機を結ぶ伝送路として使われます。
マイクロ波・アンテナ・導波管の役割
| 名称 | 何を表すか | 例 |
|---|---|---|
| マイクロ波 | 電磁波の周波数領域 | 衛星通信、レーダー、無線通信、加熱に利用される波 |
| アンテナ | 伝送路と自由空間の電磁界を結び付ける装置 | ホーン、パラボラ、パッチ、スロットアレイ |
| 導波管 | 構造内で電磁界を伝搬させる伝送路 | 矩形や円形の中空金属管 |
「マイクロアンテナ」は、小型アンテナを指す場合もあるため、マイクロ波アンテナと同義とは限りません。周波数と構造を具体的に示すと混同を避けられます。
周波数と波長の関係
マイクロ波の下限は文献によって異なり、広い定義では約300 MHz~300 GHz、別の分野では1 GHz以上を扱うこともあります。電波とは別の現象ではなく、電波に含まれる領域です。
自由空間波長はλ = c/fで求めます。c ≈ 299,792,458 m/sとすると、2.45 GHzでは約122 mm、10 GHzでは約30.0 mmです。これらは自由空間の値で、導波管内の波長や基板上の実効波長と同じではありません。
波長が短いほど、同じ物理的な開口で高い指向性を得やすくなります。ただし通信速度や到達距離は周波数だけでは決まりません。帯域幅、変調、電力、雑音、アンテナ、伝搬環境が関係します。
マイクロ波アンテナは何をするか
送信時には、給電された電磁エネルギーを所定の方向や偏波で放射します。受信時には、到来する電波を受信回路へ渡します。アンテナ単体は信号の情報を復号したり、受動構造のまま電子回路のように増幅したりするものではありません。
ホーンは広がった開口から放射し、パラボラは反射鏡と給電部を使います。パッチやスロットアレイは別の構造で放射を形成します。必要なビーム幅、偏波、帯域、寸法によって適した形式は変わります。
なぜ導波管を使うのか
中空金属導波管は、適切な帯域と寸法を選べば、マイクロ波の低損失伝送や高電力の取り扱いに有利な場合があります。空気充填なら固体誘電体に起因する損失を小さくできますが、金属壁の導体損失や接続部の反射は残ります。
矩形導波管のTE10遮断周波数はfc = c/(2a)です。WR-90は内幅22.86 mm、内高さ10.16 mmで、遮断は約6.56 GHz、一般的な推奨帯域は8.2~12.4 GHzです。したがって、WR-90は2.45 GHzの通常のTE10伝送には使えません。
「2 GHzを超えたら必ず導波管が同軸より優れる」という境界はありません。同軸にも高周波対応品があり、広帯域や柔軟な配線では有利な場合があります。損失は周波数、長さ、材質、変換器を含む同じ条件で比較します。
自由空間の損失と伝送路の損失を混同しない
ケーブルや導波管の損失は、特定条件でdB/mなどで示されます。一方、自由空間の経路損失は距離と周波数に対して対数的に変わり、一定の「0.1 dB/km」として扱うものではありません。雨や大気の吸収による追加減衰も、別に評価する必要があります。
システム選定では、周波数、電力、許容損失、アンテナの利得と偏波、経路長、機械条件を整理してください。理論はMicrowaves101の導波管解説、具体的な伝送部品はDolph Microwaveの標準導波管部品で確認できます(英語)。