矩形導波管の計算機は遮断周波数、遮断波長と導波波長を確認する道具です。正しい結果には内寸、動作周波数、モードと充填媒質が必要です。その計算だけで損失、許容電力やフランジ互換性が決まるわけではありません。
1. 計算モデルを選ぶ
以下は空気を満たした均一な矩形金属導波管の理想モデルです。リッジ付き、一部誘電体充填や不均一構造には、そのまま適用できません。
通常のa > bの断面では基本モードはTE10です。TEmnの添字は片方がゼロでも構いませんが、両方ゼロは認めません。TMmnは両方1以上が必要です。存在しないTM10を指定しても正しい計算になりません。
2. 内寸と単位を入力する
WR-90ならa = 22.86 mm、b = 10.16 mmを使います。SI式では0.02286 mと0.01016 mです。10 GHzは10 × 109 Hzに相当します。ツールが自動換算するか、入力欄の表示を確認します。
外形寸法を入力しないでください。壁厚は外寸を変えますが、遮断は内部領域の寸法で決まります。高さbを常にa/2と仮定することもできません。
3. 遮断周波数と遮断波長を確認する
空気充填モデルの一般式はfc,mn = (c/2)√[(m/a)² + (n/b)²]で、c ≈ 299792458 m/sです。TE10ではfc = c/(2a)に簡略化できます。
WR-90では約6.56 GHzです。この周波数に対応する自由空間の遮断波長λc = c/fc = 2aは45.72 mmです。動作周波数における管軸方向の波長とは異なります。
4. 導波波長を計算する
f > fcでは、λg = λ0/√[1−(fc/f)²]、λ0 = c/fです。
| 量 | 結果 |
|---|---|
| 自由空間波長 | 約30.0 mm |
| 遮断波長 | 45.72 mm |
| 導波波長 | 約39.7 mm |
遮断で理想式の分母はゼロになります。遮断以下では通常の進行波の実数の波長は得られず、場はエバネッセントになります。平方根の中を絶対値にして、無理に実数の伝搬波長を作ってはいけません。
5. 実用帯域と構造を照合する
WR-90の通常の推奨帯域は8.2~12.4 GHzです。次のTE20の遮断は約13.11 GHzです。下限遮断より少し上なら任意の損失や分散で使えるという意味ではなく、上位モードの遮断以上では多モード伝搬も可能になります。
減衰には導電率、表面、形状と周波数の情報が必要です。0.02 dB/mをすべてのWR-90に共通する定数としません。ベンド、トランジション、接合とフランジも反射や損失に関わります。
保存する条件と結果
入力値、単位、モデル、モードと媒質を結果と一緒に保存します。動作帯域、電力と接続の制限は部品資料から別に確認します。重要な計算は式による独立検算と組立後の測定で裏付けます。