パラボラの受信を調整するには、設置場所と対象衛星から方位角・仰角を求め、識別できる信号で微調整します。見るのは強度だけでなく品質と受信ロックです。偏波調整は機器とサービスに従い、すべてのBSアンテナへLNBスキュー調整を強制しません。
調整前に必要な情報
衛星と軌道位置、設置座標、アンテナ型式、コンバーターと受信機を確認します。参照するサービスの周波数や受信方式は最新の案内を使います。過去のチャンネル情報だけで判断しないでください。
以下は主に固定した静止衛星向けパラボラの手順です。追尾式、マルチフィード、集合住宅の設備は専用手順が必要です。
1.見通しと支持部を確認
木、建物や新しい障害物が目的方向を遮っていないか確認します。支持部の剛性と、目盛りの前提となる垂直状態を調べます。ずれた支柱では仰角目盛りもそのまま使えない場合があります。
屋根など届かない部分は適切な作業体制で扱います。固定方法、トルクと電気的保護は機器・設置条件に従い、全製品へ20~30 ft·lbや10 AWGを一律指定しません。
2.初期角度を計算
方位角は水平の方向、仰角は水平面からのビーム角度です。DishPointerなどの計算では位置と衛星を指定し、真北・磁北の基準も確認します。
軌道位置の東経値は、手元のコンパスで同じ角度を向くという意味ではありません。スマートフォンの方位計は金属支柱の近くでずれる場合があり、最終判定は受信で行います。
3.反射面とビームを混同しない
オフセット形では反射面がほぼ垂直でもビームは上を向いています。取付け目盛りと説明書を使い、見た目の板の角度をそのまま仰角にしません。
4.ゆっくり探索して識別
推定位置の周囲で方位角をゆっくり変え、受信機の更新を待ちます。ロックがなければ仰角を小さく修正して再確認します。最大付近では動かす幅をさらに小さくします。
単純な強度計は別の衛星にも反応します。サービスやネットワークの識別後に微調整してください。全アンテナ共通の2°刻みでは粗すぎる場合があります。
5.品質と偏波を最適化
方位角と仰角を交互に調整し、安定した品質を探します。MER、C/Nやエラーを表示する測定器は強度だけより情報を得られます。機器固有の百分率を共通dB値としません。
直線偏波系では指定に従ってLNB回転を調整する場合があります。円偏波や自動調整系で同じ操作が必要とは限りません。国内BS/CSも型式と対応サービスに従います。
6.締結後に複数サービスを確認
指定トルクで段階的に固定し、ピークが動いていないか確認します。必要な帯域や偏波を代表する複数サービスを調べ、写真と最終測定値を残します。
強い雨だけで途切れる場合は、接続を確認したうえでリンク余裕、口径と指向を評価します。無作為に増幅器を加えて雨による損失が消えるとは限りません。
AMアンテナの場合は別の調整
AMラジオのループやフェライトバーはパラボラと異なります。機器やループを回し、希望局の受信と雑音の変化を比較します。電源装置など近くの雑音源から位置を変えることも有効な場合があります。
AMアンテナへ衛星の仰角、LNB設定やBS給電を適用しません。受信強度が大きくても雑音が増えれば聞きやすさは改善しません。
調整後も悪い場合
水、腐食、ケーブル、給電と受信設定を確認します。増幅器は誤った指向や壊れた線路の代わりにはなりません。専門用途のSATCOMアンテナも帯域、偏波と設置条件をそろえて選定します。