銅は一般に電気・熱伝導率が高く、アルミニウムは密度が低い材料です。ただし導波管の選択では合金、形状、RF表面、接合と運転条件を比較します。材料名だけから一定の価格差や追加損失dB/mは決まりません。
1.電気伝導率
Microwaves101の純金属の参考表には約25°Cで銅59.8 MS/m、アルミニウム37.7 MS/m程度が示されています。温度、合金と加工状態で変わるため、設計には実際の材料値を使います。
IACSは電気伝導率の基準であり熱伝導率ではありません。100% IACSは20°Cで約58 MS/mです。異なる温度や材料状態の数値を厳密な同条件比較として混ぜないでください。
2.表面抵抗と導体損失
良導体で非磁性という単純な表皮効果モデルでは Rs = √(πfμ/σ) です。同じ形状・モードで、理想的に平滑な無めっき面なら導体損失はこの表面抵抗に比例します。
前記の伝導率では Rs,Al/Rs,Cu ≈ √(59.8/37.7) ≈ 1.26です。これは導体損失モデルの比で、任意の完成部品の全損失が26%増えるという保証ではありません。
反射、フランジ、粗さとめっきも加わります。全サイズ・全周波数で0.5~2 dB/mの差があるとはいえません。dBの差と失われる電力の割合も区別します。
3.密度と完成品の質量
同じ参考資料では銅約8.92 g/cm³、アルミニウム約2.70 g/cm³です。同じ金属体積ならアルミニウムの質量は銅の約30%、すなわち約70%少なくなります。
実際の組立品では肉厚、フランジと支持が異なる場合があります。したがって70%も30~40%も全製品共通の軽量化率ではありません。図面と部品表で比較します。
4.熱伝導と膨張
純金属の室温付近の参考値として熱伝導率は銅約416 W/(m·K)、アルミニウム約238 W/(m·K)です。特定の合金では大きく異なることがあります。
線膨張係数の例をそれぞれ16.6と23.0 µm/(m·K)とすると、長さ100 mm、温度変化40 Kで自由な長さ変化は約0.066と0.092 mmです。
拘束、熱伝達と温度分布は変形や応力を変えます。熱伝導率だけでは許容RF電力を決められません。
5.表面と腐食
アルミニウムの酸化膜は表面を保護する一方、電気接触には問題を起こす場合があります。銅の表面も変化します。水分、塩分と異種金属接触を考慮して処理と接合を選びます。
導電性めっきがRF表面を支配する場合は、厚さ、密着、粗さと中間層が重要です。母材だけから表面損失を予測しないでください。
6.加工と接合
切削、成形、ろう付けや溶接の適性は合金と工程で変わります。銅には接合しやすい用途があり、アルミニウムの接合には対応した表面処理と工程管理が必要です。
接合後の変形、内寸、接触面と必要な気密性を確認します。伝導率の高い素材でも、不適切な継ぎ目を補えるわけではありません。
外径10 mmのなまし銅管という表示だけでは導波管のモードや帯域は決まりません。空気充填円管なら内径と形状が遮断条件に関係し、配管材とRF完成部品の仕様は別です。
7.費用と受入れ
材料価格、加工、表面処理、数量と試験が購入費を決めます。WR-90の一般的な1 m価格を、加工と納入条件なしで提示しても比較になりません。
同じ要求について質量、帯域、反射、挿入損失、温度と電力を比較します。寿命も材料名だけでは決まらないため、完成品で条件を確認します。