導波管サーキュレータは、指定された順序でRF電力を送る非相反の多ポート部品です。代表的な3ポートの例は1→2、2→3、3→1です。増幅器ではなく、挿入損失と逆方向の漏れがあるため、実際の帯域と条件で評価します。
非相反性を作る仕組み
一般的なフェライト構造では、磁気バイアスが材料と電磁界の相互作用を変えます。これにより、1→2の伝送と2→1の伝送が大きく異なる場合があります。
共振接合と偏波回転を利用する構造は同じ実装ではありません。全サーキュレータを、必ず45°だけ偏波を回す同一の区間として説明することはできません。
循環方向とポート番号は製品の図面で確認します。外形だけで送信機、アンテナと終端を割り当てないでください。
送信機を保護する接続
ポート1に送信機、2にアンテナ、3に整合負荷を接続すると、アンテナからの反射は主に2→3へ送られます。負荷は想定される反射の平均・ピーク電力を扱える必要があります。
こうして3ポート部品を終端し、2ポートのアイソレータ機能を作れます。サーキュレータ自身がすべての反射電力を吸収するわけではありません。
負荷の反射が大きいと、3→1の経路で送信機へ戻る成分が生じます。終端の状態も保護機能の一部です。
受信機をつなぐ場合
ポート3を受信機へつなぐ構成では、アンテナの信号が2→3へ流れます。しかし送信漏れやアンテナからの反射も受信機へ届き得ます。
必要に応じてリミタ、切替えや別の保護を組み合わせます。サーキュレータがあるだけで、どの送信電力でもLNAを保護できるわけではありません。
ある漏れ経路が20 dBの隔離なら電力比は1%です。入力100 Wに対しては単純計算で1 Wとなり、全受信機が許容する水準とは言えません。アンテナ反射の経路も別途評価します。
挿入損失とアイソレーション
整合した基準ポートでは、1→2の挿入損失を−20 log10|S21|、抑圧する1→3の正の隔離値を−20 log10|S31|で表せます。
0.2 dBの損失は対象ポートへ約95.5%の電力を伝える値で、99%以上ではありません。0.5 dBなら約89.1%です。
これは数値の読み方であり、全製品が0.5 dB未満、20 dB以上、50 W以上を同時に保証するという意味ではありません。未測定ポートの終端条件も記録します。
帯域と導波管インターフェース
必要な帯域、モード、断面とフランジを合わせます。導波管の遮断だけでは、フェライト接合と変換部を含むサーキュレータの全帯域を決められません。
周波数別に分離するダイプレクサとは機能が違います。ポートが三つあることだけで同じ用途に使えるわけではありません。
電力と冷却
CWかパルスか、パルス幅と繰返し、負荷反射と温度を指定します。散逸損失は発熱を生み、局所電界はピーク電力の限界に関係します。
取付け、熱伝達、圧力と周囲磁界は仕様に従って評価します。全機種共通の磁束減少率や20年寿命、冷却方法を仮定しません。
検収で確認すること
- ポート図と循環方向。
- 他ポートの負荷条件。
- 全帯域の反射、伝送と隔離。
- 別途定めた電力・熱条件。
- 外部終端が不整合になった場合の影響。
Microwaves101のサーキュレータ解説が原理と接続の参考になります。複数製品の最良値を集めるのではなく、購入する構成の試験条件を確認します。