フェーズドアレイは、増幅機能の配置と、ビームの重みを適用する場所を分けて比較します。PESA・AESAは主にRF構成、アナログ・デジタル・ハイブリッドはビーム形成方式です。受動・能動・ハイブリッド・デジタルを重ならない四種類とする分類は正確ではありません。
位相でビームが変わる原理
複数素子の場は相対振幅と位相に応じて方向ごとに合成されます。最終パターンには配置、素子自体のパターンと相互結合も影響します。
間隔dの単純な線形配列を法線から角度θへ向ける位相差の大きさは |Δφ| = 2π(d/λ)|sin θ| です。符号は座標と位相の定義に従います。d = λ/2、θ = 30°なら90°です。
受動電子走査配列PESA
典型的には共通の送信経路から分配網と位相制御を通じて素子を給電します。「受動」はシステム全体に送信機や増幅器がないという意味ではありません。
分配網や移相器の損失は送受信性能に関係します。名称だけから利得20~30 dBや同時ビーム数を決められません。
能動電子走査配列AESA
素子またはサブアレイに増幅・受信機能を分散します。制御の自由度とともに電源、冷却、校正と監視が必要です。
一部モジュール故障でも動作を継続できる場合がありますが、利得や副ローブへの影響は評価します。40~50 dBi、1°未満の精度や90°走査が名前だけで保証されるわけではありません。
アナログ・デジタル・ハイブリッド
| 方式 | 重みの適用 | 比較点 |
|---|---|---|
| アナログ | 合成前または分配後のアナログ経路。 | RF経路数とビーム機能。 |
| デジタル | 独立チャネルのデジタルデータ。 | 変換器、データ量と演算。 |
| ハイブリッド | アナログ配列とデジタル経路の組合せ。 | 複雑度と同時ビームの制限。 |
デジタル命令でアナログ移相器を調整しても、それだけで完全デジタルビーム形成にはなりません。能動配列はアナログ、デジタルやハイブリッドの構成を使えます。
間隔・走査角・帯域
間隔が大きいとグレーティングローブが生じる場合があります。単純な線形配列の最大走査角θmaxに対する境界の目安は d = λ/(1 + |sin θmax|) です。境界を避け、最短波長などの条件も検証します。
走査すると開口の投影や素子パターンが変わり、利得一定とは限りません。固定位相差で広帯域信号を扱うと、周波数でビーム方向が変わるビームスクイントも問題になります。
真の時間遅延は固定の位相シフトと異なります。遅延方式でも実際の範囲、分解能と帯域を確認します。
電力と放熱
RF出力と消費電力は別です。増幅器効率、動作率、変換器と処理部が発熱に関係します。すべてのデジタル配列が素子あたり100 W以上を必要とする規則はありません。
装置全体の電力、温度条件と冷却経路を確認します。アンテナ利得とRF増幅率も同じ意味ではありません。
仕様比較の確認項目
- 運用周波数と瞬時信号帯域。
- 開口、走査角と全範囲のパターン。
- EIRPと受信感度などのシステム指標。
- 同時独立ビーム数とRF・デジタルチャネル数。
- 位相・振幅誤差、相互結合と校正。
- 電源、冷却、質量と保守。
配列の基礎を参考に、各名称ではなく実装した機能を同条件で比較します。製品名や娯楽作品での呼び方は装置の技術仕様を置き換えません。