矩形から円形への導波管トランジションは、異なる断面を接続し、指定した電磁界モード間でエネルギーを結合する部品です。よく扱う組合せは矩形のTE10と円管TE11の一つの向きです。開口が機械的につながるだけでは低反射やモード純度を保証できません。
変換部に必要な機能
両端の帯域、モード、偏波、フランジと電力を定義します。断面変化は境界条件と場の分布を変えるため、二つの抵抗値を接続するだけの問題ではありません。
段差や連続テーパーを使うことがあります。長さと形状は設計変数であり、全製品に10~20波長という規則はありません。長さを波長で示す場合は自由空間波長か管内波長かも明記します。
両側の遮断を確認
空気充填の矩形では fc,10 = c/(2a) です。WR-90の内寸は22.86 × 10.16 mm、TE10遮断は約6.56 GHzで、一般的な使用帯域は8.2~12.4 GHzです。
内径dの理想円管では fc,TE11 ≈ 1.8412c/(πd)、次のTM01では fc,TM01 ≈ 2.4048c/(πd) です。
| モード | 遮断周波数 |
|---|---|
| TE11 | 約5.17 GHz。 |
| TM01 | 約6.75 GHz。 |
この円管の7~11 GHzは、厳密に一つのモード族だけが伝搬可能な領域ではありません。理想対称性によって不要モードが強く励振されない場合もありますが、製造誤差や接続部の検証が必要です。
TE11と円偏波は同義ではない
理想円管には同じ遮断を持つ二つの直交したTE11の向きがあります。組み合わせる振幅と位相によって直線偏波や円偏波を構成できます。
丸い開口だけで円偏波になるわけではありません。必要に応じてポラライザなどを使い、矩形ポートとの向きと偏波の定義を確認します。
反射と不要モードを抑える
形状を帯域全体で評価します。長いテーパーは場の変化を緩やかにする候補ですが、設置空間と導体長も増えるため、常に全損失が減るとは限りません。
関連するポートモード、公差、位置ずれ、継ぎ目と表面を解析します。低いS11だけでは、目的の出力モードへ届く電力割合は分かりません。
楕円導波管にも固有のモードと寸法があります。単に矩形と円形の中間だから同じ性能という扱いはできません。
損失と効率を読み分ける
0.5 dBの伝送損失なら、指定条件で伝わる電力は約89.1%です。98%の電力伝送は約0.088 dBに相当します。この二つを同じ値として説明してはいけません。
反射、散逸と不要出力モードを分けます。平均・ピーク電力、圧力、温度と接続負荷を定義し、丸い形状だけで30~50%低損失とは仮定しません。
受入れの確認事項
- 内寸、フランジ、向きと表面。
- VNA校正と測定基準面。
- 全帯域の反射と伝送。
- 要求に対応するモード純度と偏波。
- 必要な電力・気密試験の条件。
二つの変換器を背中合わせに測っても、反射と中間区間を評価せずに全損失を単純に半分にできるとは限りません。
円管の式はSPINNER TD-00036、版Xの17ページ、矩形の関係は導波管数学を参照できます。実際の保証帯域は対象変換器の仕様で確認します。