金属導波管部品の挿入損失は、定義した基準面で校正された伝送係数から評価します。適切な2ポートVNAと導波管標準を使い、反射、再現性と不確かさを併せて記録します。すべての測定に共通する±0.05 dBの精度はありません。
測定する損失を定義
基準インピーダンスとモードをそろえた条件でIL = −20 log10|S21|です。S21のdB表示が−0.5 dBなら挿入損失は0.5 dB、対応する伝送電力比は約89.1%です。
0.1 dBでは約97.72%であり、98%以上ではありません。不足分がすべて金属の発熱になるとも限らず、反射や別ポート・別モードへの伝送も考慮します。
S11、S22と経路全体を併せて見ます。光導波路と金属RF導波管では測定装置や校正が異なるため、ここでのVNA手順をそのまま光学系へ移さないでください。
帯域と装置を準備
動作帯域、ポート数、必要なダイナミックレンジと入力レベルを定めます。周波数拡張器や同軸・導波管変換器がある場合は、使用範囲と校正手段を確認します。
WR-90の通常帯域は8.2~12.4 GHzです。VNAの測定上限が高くても、すべての変換器と標準がその範囲へ対応するとは限りません。
予熱と温度安定は装置資料に従います。ケーブルと拡張器を支持し、校正後の不要な移動を避けます。
導波管基準面まで校正
TRLなど、帯域と標準に適した方法を選びます。thru、reflectとlineの定義が必要で、lineとthruの位相差が退化する条件を避けます。
同軸面で校正した後に追加する変換器は、自動的には除去されません。導波管面までの校正か、検証されたディエンベディングが必要です。
独立した確認標準と再接続で結果を検証します。校正に使った標準を接続し直すことも有用ですが、それだけで独立検証をすべて代替することはできません。
フランジを検査して接続
ピン、開口、接触面と指定ガスケットを点検します。傷の限界や修復法は図面から判断し、共通の傷深さと0.1 dB損失の関係を仮定しません。
清掃は材質とめっきに適合する方法を使います。99% IPAやアセトンを全品へ一律使用せず、残留物と乾燥を確認します。トルクと順序も実際の接続仕様に従います。
掃引と繰返し測定
必要な共振を分離できる周波数間隔と線形動作範囲の出力を選びます。IF帯域と平均化は速度と雑音の交換条件です。
独立したゼロ平均のランダム雑音は平均回数の平方根に応じて減る場合があります。しかし64回平均でドリフト、接続や校正の系統誤差まで8分の1になるわけではありません。
時間変化と再組立ての差を分けて記録します。一本の滑らかな曲線だけで極小の損失を確定しません。
基準トレースを引く方法の限界
基準経路と試料挿入後の伝送レベルのdB差は比較に使えます。ただし挿入に伴って反射と多重反射が変われば、単純な差だけで治具の全影響が正確に消えるとは限りません。
すでに試料面まで校正した値から、同じ変換器の損失を再び引けば二重補正になります。比較正規化と校正の役割を区別します。
不確かさと判定
平均だけでなく最大損失とその周波数を残します。0.03 dBの差より関連する不確かさが大きい場合、その差だけで製品の優劣を確定できません。
標準、残留誤差、雑音、ドリフト、再接続と基準面を評価します。特定のIF設定やリップルを全製品共通の合格基準にしないでください。
原因を切り分けて保存
- 確認標準で測定経路の変化を調べる。
- 接触、整列とケーブルを確認する。
- 試料を再接続して再現性を見る。
- 反射と伝送を一緒に分析する。
- 不確かさと要求仕様に基づいて判定する。
生のSパラメータ、設定、温度と試料状態を保管します。参考は導波管TRL校正とSパラメータ定義です。小信号試験で最大電力や全環境の耐性まで証明したことにはなりません。