導波路へコーナーやベンドを入れると、損失、反射、モード、位相、局所電界と製造条件が変わり得ます。金属RF導波管、光ファイバと光集積回路は境界条件が違うため、同じ曲率半径やdB値を一律に適用しません。
最初に導波構造を特定する
金属導波管は導体壁で場を制約し、光ファイバや多くの光集積導波路は屈折率分布によって閉じ込めます。周波数、断面、材料と伝搬モードを明確にします。
同じ90°の方向転換でも、半径、断面の変化と接続が違えば応答は変わります。光ファイバの損失をdB/kmで示した値と、チップ導波路のdB/cmを混同しないでください。
1.追加損失
金属RFベンドでは、追加の長さ、導体損失、反射とモード変換などを評価します。光の曲げでは、閉じ込めが変わり放射損失が増える場合があります。
透過が低下した分がすべてベンドの内部で熱になるわけではありません。反射、別モードと外部へ出る電力を区別します。
1回の曲げに0.1~3 dBという値を全構造へ割り当てません。3 dBなら約半分の伝送という換算はできますが、特定半径の損失予測には個別データが必要です。
2.反射と整合の変化
急な不連続は反射を作り得ます。RFでは曲線、マイタ形状や整合要素によって必要な帯域へ設計します。単純に直角の管を接続すれば高性能ベンドになるわけではありません。
リターンロス20 dBは反射電力1%とVSWR約1.22に対応します。これは読み方の例であって、全ベンドの保証値ではありません。
3.モード変換
断面や方向の変化で追加の場が励振されます。伝搬可能な上位モードへ変換される場合と、局所的なエバネッセント成分は区別します。
光導波路でもモードや偏波の結合が起こり得ますが、屈折率差、寸法と形状が重要です。曲げたら必ず10~20%が別モードになるという規則はありません。
4.位相・群遅延と経路長
長さの増加や分散は位相と群遅延に影響します。金属導波管の導波波長は自由空間波長と異なります。WR-90の10 GHzでは約39.7 mmで、自由空間の約30.0 mmとは同じではありません。
群遅延は適切な条件で−dφ/dωから求め、校正と位相の展開を確認します。「位相が5~15%ずれる」という表現は、何に対する割合か不明確です。
ビットレート10 Gbit/sだけから、ベンドの遅延や温度上昇を決定することはできません。
5.局所電界・熱と耐電力
形状や接点で場や電流が集中する場合があります。RFの放電や光学系の損傷は、ピーク、平均、材料、欠陥と環境に依存します。
すべての角が1 kWで放電する、あるいは90°曲げで8~12 °C上昇するという閾値は使えません。散逸する電力と熱の逃げ方を評価します。
6.製造・実装と隣接経路
曲げ形状を増やすと加工、支持や寸法確認が変わります。RFではフランジの方向や荷重、光ファイバでは引張り中と設置後の曲げ条件を確認します。
半径と直径は2倍違います。製造者の仕様がどちらを使うかを確かめます。FOAの解説もケーブルごとの限界確認を求めており、一般的な倍率を全ケーブルへ適用するものではありません。
隣接導波路への結合は間隔、遮蔽、閉じ込めとモードに依存します。金属壁で分離されたRFベンドと光チップの隣接曲線では、クロストークの評価方法が異なります。
改善と検証
大きな半径は一部の不連続効果を減らせますが、長さと面積を増やします。「2λ以上」や「方向転換30°未満」を普遍基準にせず、必要帯域の完成経路で比較します。
RFでは校正したSパラメータ、光では対応する挿入損失・反射や必要な診断法を使用します。製造後と取付け後の条件を記録します。
参考はRF導波管の関係式とFOAの光ケーブル曲げ半径解説です。材料と寸法を特定したデータが、一般的な曲げ損失表より重要です。