BS・CS用パラボラアンテナを掃除するときは、柔らかい布を水で湿らせ、反射鏡の向きやコンバーターの位置を動かさないように汚れを落とします。洗剤はメーカーが使用を認めている場合に限り、指定されたものを使ってください。高圧洗浄、研磨剤、アルコールなどの溶剤を一律に勧めることはできません。
掃除が必要かを先に判断する
落ち葉、鳥のふん、湿った雪、厚い付着物が見える場合は、点検や清掃を検討します。一方、薄いほこりが付いているだけで受信不良の原因と決めつけるべきではありません。強風の後なら方向のずれ、大雨の最中なら降雨減衰、特定の部屋だけ映らない場合は配線や分配器も調べる必要があります。
同じチャンネルで、テレビやチューナーの受信品質表示を記録します。機種ごとのアンテナレベル表示は共通の尺度ではないため、「60以下なら汚れ」「掃除で30%改善」といった判断はできません。清掃前後はできるだけ同じ天候で比較してください。
作業前の準備
- 地上など安定した位置から無理なく届く範囲に限ります。屋根や高所にあるアンテナは設置業者へ依頼してください。
- 説明書に従い、該当する受信設備の電源を切ります。コンバーターには同軸ケーブル経由で給電される場合があり、テレビの画面を消すだけでは給電が止まらないことがあります。
- 集合住宅の共同設備は、管理者に確認してから対応します。
- 柔らかい清潔な布を2枚、水、必要に応じてメーカー指定の洗剤を用意します。
- 反射鏡と受信部の向きを写真で記録します。掃除のために調整ねじを緩めないでください。
傷や方向ずれを避ける5つの手順
目次
1.表面と受信部を目視点検する
反射鏡の変形、塗装の剥がれ、さび、コンバーターカバーの割れ、ケーブルの損傷を確認します。割れたカバーの内部へ水を入れたり、分解して掃除したりしないでください。清掃では修復できない損傷は、業者による点検の対象です。
2.落ち葉などをそっと取り除く
手が届く範囲の軽い付着物を除去します。砂を乾いたまま布でこすると傷の原因になります。氷を金属で削る、叩く、熱湯をかけるといった方法も避けてください。凍結時は無理に作業せず、自然に解けるのを待つか専門業者へ相談します。
3.固着した汚れを湿らせる
水で湿らせた布を汚れに当て、柔らかくしてから軽く拭き取ります。布に砂や汚れが付いたら洗うか交換してください。反射鏡の縁を強く押したり、アームを手すり代わりにつかんだりしないことが大切です。
4.残留物を拭き取り、乾燥させる
別の布をきれいな水で湿らせ、残った汚れや許可された洗剤を拭き取ります。コネクター、ケースの継ぎ目、ケーブルの入口に水流を向けないでください。説明書に従って乾燥を確認してから設備を復帰させます。
5.同じチャンネルで受信を確認する
清掃前と同じチャンネルで映像の安定性と品質表示を比べます。清掃後に悪化した場合は、方向や受信部の位置を動かしていないか確認します。原因が分からないままブースターを追加するより、配線・方向・機器を順番に切り分ける方が有効です。
使わない方がよいもの
| 方法・用品 | 問題点 |
|---|---|
| 高圧洗浄機 | 内部への浸水や調整部のずれを起こす可能性があります。 |
| 金属ブラシ、研磨剤、硬いへら | 塗装や樹脂カバーを傷つけます。 |
| アルコール、シンナー、強い洗剤 | 樹脂・塗膜・シールとの適合性が確認できない限り使いません。 |
| 防雪スプレー、油、ワックス、再塗装 | モデルごとの承認が必要です。受信改善の万能策にはなりません。 |
掃除しても映らない場合
放送側の障害、衛星方向の障害物、固定金具の緩み、同軸ケーブルと接続部を確認します。特定チャンネルだけの不具合や給電異常は、受信設定や分配設備の問題も考えられます。清掃の頻度に一律の正解はなく、設置環境と目視点検の結果で判断してください。
KVHの保守資料も対象機器に対し真水、必要に応じた穏やかな洗剤、研磨剤と高圧水の回避を案内しています。ただし、船舶用レドームの保護処理を家庭用の開放形反射鏡へそのまま適用してはいけません。使用機種の取扱説明書を優先してください。
業務用構成はDolph MicrowaveのSATCOMアンテナ一覧をご覧ください。リンク先は英語です。