VSATはVery Small Aperture Terminalの略で、アンテナだけでなく衛星端末全体を指します。選定ではサービス、リンク収支、RF構成、設置と可用性の五つを確認します。直径0.9~2.4 mや接続信頼性99%以上をすべての用途へ共通に当てはめることはできません。
1. サービスとネットワークを先に決める
場所、カバー、用途と上り・下りの通信を定義します。ハブを中心とするスター型、地点間、メッシュ型では資源の使い方が異なる場合があります。
運用者が対応する端末、モデムとソフトウェアを確認します。テレビ受信用の反射鏡とLNBだけでは送信経路や必要な制御はそろいません。固定、可搬、移動中通信の区分も重要です。
2. 口径をリンク収支で決める
円形反射鏡ではG ≈ η(πD/λ)²です。同じ周波数と効率で直径を二倍にすると理論上約6 dB増えます。「直径を30 cm増やすたびに3 dB」という一定量の規則ではありません。
例えば同条件で0.9 mから1.2 mへ変えると20 log10(1.2/0.9) ≈ 2.50 dBです。1.8 mから2.1 mでは約1.34 dBになります。支持、風荷重と指向精度も変わります。
受信ではG/Tなどで表されるシステム雑音との関係、送信ではEIRPや損失を検討します。衛星のカバー、降雨、仰角と余裕を含め、直径だけで速度を約束しません。
3. RF経路全体を照合する
上り・下りの正確な周波数、偏波、フィード、OMT、LNBとBUCなど必要な機能を指定します。KuまたはKaという名称が同じでも、すべての部品が互換ではありません。
モデムと変換器のIF、基準信号、制御、電源を確認します。コネクタが合うことだけではシステム互換性を証明できません。ケーブル損失と必要レベルも基準面を決めて評価します。
4. 設置と保守を計画する
重量と風条件に合う架台、衛星方向の見通し、ケーブル経路と保守アクセスを確保します。締付後や環境変化の後も指向が保たれることが重要です。
塩害、温度、防水と電気保護は端末仕様と設置条件に合わせます。IP等級や材質名一つで耐久性全体を保証しません。鏡面の精度をレーザーポインタの点の広がりだけで判定することもできません。
船舶などの追尾・安定化は、対応するアンテナ、制御とサービスを必要とします。固定端末の架台を交換するだけで移動中通信が成立するとは限りません。
5. 受入試験と可用性を定義する
実効速度、遅延、損失、稼働期間と天候条件を決めます。365日で99%の可用性なら、単純計算で年間約87.6時間の停止を許す値です。用途に十分かを判断します。
晴れた一日の接続試験で年間可用性は測れません。指向、偏波、送信レベルとネットワーク登録など、運用者の立上げ手順に従って検証します。
見積りでそろえる範囲
| 項目 | 指定内容 |
|---|---|
| 場所・サービス | 座標、カバーと運用者。 |
| 通信 | 上り下りの速度と優先度。 |
| RF | 実帯域、偏波と収支。 |
| 設置 | 風、雨、温度と取付。 |
| 納入 | アンテナ、電子部品、モデムと工事。 |
機器のみ、設置、契約と保守を分けて総費用を比較します。衛星リンクが良好でも、室内Wi-Fiのカバーは別に検証が必要です。
ESAの衛星周波数帯と反射鏡の開口理論が基礎資料です。必要なフィードとサービスをそろえてSATCOMアンテナを比較してください。