アンテナの長さはλ = c/fから見積もります。ただし、半波長ダイポールのλ/2は両腕を合わせた全長です。2.45 GHzでは自由空間波長が約122.4 mm、全長の初期値が約61.2 mm、片腕が約30.6 mmとなります。実際の共振寸法は導体、給電、周囲の構造で調整します。
周波数だけでなく要求仕様を決める
中心周波数、必要帯域、偏波、放射方向、電力、インターフェースのインピーダンスを整理します。設置空間、接地面、ケース、給電線、近くの金属も含めます。測定台で整合していても、ケースへ組み込むと共振が変わる場合があります。
中心周波数だけでは通信方式が必要とする帯域を保証できません。最低周波数と最高周波数の両方で、整合と放射の条件を確認します。
初期寸法の計算例
c ≈ 299,792,458 m/s、fをHzで入力するとλはmです。空気中の単純な構造の目安は次のとおりです。
| 周波数 | 自由空間波長 | 半波長 | 1/4波長 |
|---|---|---|---|
| 433 MHz | 約692 mm | 約346 mm | 約173 mm |
| 2.4 GHz | 約124.9 mm | 約62.5 mm | 約31.2 mm |
| 2.45 GHz | 約122.4 mm | 約61.2 mm | 約30.6 mm |
1/4波長モノポールには適切な接地面やカウンターポイズが必要です。半波長ダイポールの片腕を半波長で作ると、意図した全長の2倍になります。
短縮率を固定値にしない
導体の太さ、端部効果、絶縁被覆、周囲の誘電体によって、共振するダイポールは自由空間のλ/2より短くなることがあります。ただし、すべてのアンテナに同じ短縮率が使えるわけではありません。
FR4の比誘電率の平方根で、あらゆるアンテナの長さを一律に割る方法も適切ではありません。プリント構造では電界が空気と基板へ分布し、実効誘電率、形状、フリンジが関係します。パッチ、プリントモノポール、マイクロストリップ線路の計算モデルを混同しないでください。
目的に合う形式を選ぶ
ダイポールは基本的な構造、モノポールは機器の接地面を活用する構造です。八木・宇田アンテナは寄生素子の長さと間隔を同時に設計します。パッチは基板上の共振器として設計するため、線の長さだけでは決まりません。
小型化では効率、帯域、周囲への敏感さとのトレードオフが生じます。形状を折り曲げても、大きなアンテナと同じ性能がそのまま維持されるとは限りません。
給電と整合を含めて設計する
基準インピーダンスはシステムに合わせます。50 Ωが多いRF機器もあれば、75 Ωを用いるテレビ系統もあります。ダイポールを同軸で給電する場合は、必要に応じてバランやチョークで外導体上の共通モード電流を抑えます。
スミスチャートは周波数に対する複素インピーダンスや整合回路を検討する道具です。チャートで整合できたことだけでは、効率やパターンを確認したことにはなりません。
試作と測定の手順
- 給電・接地面・周辺部品を含めてシミュレーションする。
- 寸法公差、材料ばらつき、ケーブル位置の影響を見る。
- 調整可能な試作品を作り、VNAを適切な基準面で校正する。
- 帯域全体のS11を測り、放射パターンと利得または効率を別途確認する。
- 最終ケースに組み込み、同じ条件で再測定する。
良好なS11は高効率の証明ではありません。損失の大きい構造も整合できるため、受け入れた電力がどれだけ放射されるか確認します。最終寸法と材料、測定条件を記録してください。
電流分布と長さの関係はAntenna-Theoryのダイポール解説を参照できます。業務用の反射鏡・給電器はDolph MicrowaveのSATCOM製品を帯域と放射仕様で比較してください(英語)。