コルゲートホーンは内壁の溝を使い、モード、偏波と開口の場を制御します。対称なビーム、低い交差偏波や適切な反射鏡照明に利点があります。ただし、どの滑らかなホーンよりも常に放射効率や開口効率が高いとは限りません。
どの効率を比較するか
放射効率は受け入れた電力に対する放射電力の割合です。開口効率は物理開口を指向性・利得にどの程度利用できるかに関係します。整合損失と反射鏡全体の効率も別の指標です。
側方の放射を減らした結果と、金属の熱損失を減らした結果を同じ百分率で説明しません。開口の振幅を強く絞ると部葉を下げられる場合がありますが、開口利用とのトレードオフがあります。
溝とハイブリッドモード
溝は実効的な異方性境界を形成し、適切な遷移部と組み合わせてHE11型の場などを作ります。円形入力のTE11から必要な場への変換は形状と帯域に依存します。
すべての溝が同じ自由空間λ/4ではありません。スロート部のモード変換、溝幅、周期、深さとフレアのプロフィールをまとめて設計します。
10 GHzの自由空間λ/4は約7.49 mmですが、完成品の溝深さを指定する値ではありません。金属面の接線電界条件と、溝を平均化した実効境界の性質も区別します。
対称性、交差偏波と部葉
適切な場の組合せにより、E面とH面のパターンを近づけ、交差偏波を抑えられる場合があります。高い偏波純度は二偏波システムに有用ですが、それだけで通信容量が必ず倍になるわけではありません。
交差偏波は定義と測定方向を明記します。主軸一点の値と全角度の最大値は異なります。部葉も主ビームピーク基準か、周波数と角度範囲をそろえて比較します。
開口の端は残るため、溝があるだけで回折が完全になくなるとは言えません。滑らかなホーンにも低交差偏波を目指したプロフィール設計があります。
実際の論文は一律70~85%ではない
NASA NTRS収録の「A wideband profiled corrugated horn for multichroic applications」は150 GHzと220 GHz付近を対象にした設計を扱います。モード整合法で場を求め、反射、交差偏波とビーム幅を同時に最適化しています。
同論文の表1にある開口効率は、140~230 GHzで約42~50%です。これは本論文の設計結果であり、市販品の普遍的保証値ではありません。低い部葉や広帯域の目標と、最大開口効率が同じではないことを示します。
同資料には未確定表記のTBSも残るため、掲載内容をそのまま製造寸法表として使用しません。数値結果を実機の受入試験成績と取り違えないでください。
利得差の計算例
同じ周波数と物理開口でG ≈ ηap4πA/λ²とします。効率0.55から0.80なら差は10 log10(0.80/0.55) ≈ 1.63 dBで、必ず2.5~3.5 dBではありません。
同じ利得を保つ円形開口の直径比は√(0.55/0.80) ≈ 0.829です。この仮定では約17%縮小であり、25%と自動的にはなりません。効率値は比較用の仮定です。
反射鏡と製造の条件
フィードとして使うときは、縁の照明、spillover、位相中心と焦点位置を合わせます。位相中心の変動やビーム幅の安定性に全製品共通の許容値はありません。
深く細い溝は加工、積層合わせや表面処理を難しくする場合があります。公差、接合と温度も考慮し、モデルだけでなく反射・利得・偏波・パターンを確認します。
出典はNASA NTRS収録論文、本文と表1、基本構造はホーンアンテナの解説です。仕様では「高効率」の意味を具体的な測定量に置き換えてください。