通信品質を改善するには、まずRF信号、干渉、給電経路、Wi-Fi範囲とネットワーク容量を分けます。電波強度が高くても品質が低いことがあり、アンテナ交換だけですべてを解決できません。五つの確認で原因と改善結果を測定します。
1.強度と品質を別々に記録
LTE・5Gなら機器が示すRSRP、RSRQ、SINRなどと帯域・セルを記録します。衛星なら品質、エラーや遮蔽の指標を確認します。異なる受信機のパーセント表示は共通の尺度ではありません。
通信速度、遅延、パケット損失と切断も測ります。時刻、端末、測定先と同時通信をそろえます。RF品質が安定していて混雑時間だけ遅いなら、共有容量や網側も調べます。
2.位置と向きを測定して選ぶ
利用場所で一つずつ条件を変え、障害物、偏波、反射とパターンを確認します。長距離の見通しリンクではフレネルゾーンも関係します。
すべて地上10~30 m、都市なら45°傾斜という共通解はありません。スマートフォンや室内ルーターでは小さな位置変更で反射条件が変わることがありますが、改善量は測って判断します。
近くの金属は影響しますが、接地面を必要とするアンテナもあります。どの金属からも3 m離せばよいという規則にはできません。
3.ケーブル、接続とMIMOを確認
損傷、水、腐食と接続状態を調べます。実際の周波数と長さでケーブル損失を求め、変換器も含めます。機械的に接続できても帯域・インピーダンスが合うとは限りません。
仮に12 dBiのアンテナに給電損失4 dBがあれば正味の項は8 dBで、9 dBiと損失1 dBの組み合わせと同じです。ただしパターンや干渉への応答は異なる場合があります。
4×4 MIMOには対応機器、独立したポートと伝搬条件が必要です。コネクターを四つ用意すれば速度が3倍というものではありません。増幅器も飽和や雑音を含めて判断します。
4.インターネットとWi-Fiを切り分ける
可能なら同じ端末でEthernetとWi-Fiを比較します。離れた部屋だけ悪いなら距離、壁、チャネルとローカルネットワークを調べます。
スピードテストでは不要な同時転送を減らし、時刻を変えて繰り返します。ルーター近くの結果だけで家全体の品質は分かりません。
メッシュの子機には良好な戻り回線が必要です。元の電波がほぼ届かない場所に置いても容量は生まれません。ファームウェアは機種の案内に従い、更新ごとに22%改善するとは期待しないでください。
5.負荷と必要なサービスを整理
大きな転送の時間分散やQoSで内部の競合を減らせる場合があります。ただしQoSは資源を配分するもので、無線帯域や衛星容量そのものを増やしません。
用途に必要な最低速度、遅延と許容損失を決め、改善後の安定性も確認します。双方向通信では両側のリンクが成立している必要があります。
観測から次の確認を選ぶ
| 状態 | 次の確認 |
|---|---|
| 強度は高いが品質が低い | 干渉、反射、飽和。 |
| Ethernetは安定、遠いWi-Fiが不良 | 室内の分配と戻り回線。 |
| 雨後に悪化 | 接続、防水と指向。 |
| 品質一定で速度だけ変動 | 負荷と共有資源。 |