矩形導波管の基本寸法は、内部の幅aと高さbです。通常a > bとし、使用帯域、TE10の遮断周波数、高次モードを確認して選びます。外形寸法やフランジ寸法を内部寸法の代わりに使うことはできません。
WR規格の読み方
一般的なWR番号は、内部幅を100分の1インチで表した呼び寸法です。WR-90ではa = 0.90インチ = 22.86 mm、高さb = 10.16 mmです。この高さは幅の正確な半分ではありません。高さは対応する寸法表で確認してください。
WR番号だけで材料、肉厚、フランジ、気密性、耐電力が決まるわけではありません。また、WR-90の90は周波数90 GHzを意味しません。
手順1:中心周波数だけでなく使用帯域を決める
10 GHzの用途ではWR-90が候補になり、一般的な推奨帯域は8.2~12.4 GHzです。信号が帯域を持つ場合は、その全体が部品の保証範囲に入るか確認します。曲がり、変換器、窓、フィルターも含めた経路全体で確認する必要があります。
a > λ0/2は、TE10で遮断を超える条件にすぎません。10 GHzの自由空間半波長は約15 mmです。22.86 mmはWR-90の内部幅であり、10 GHzの半波長ではありません。
手順2:遮断と高次モードを計算する
空気充填の理想矩形導波管では、fc,mn = (c/2)√[(m/a)² + (n/b)²]です。TE10ならfc = c/(2a)となります。寸法をm、c ≈ 299,792,458 m/sで入力すると、結果はHzです。
| モード | 遮断周波数 |
|---|---|
| TE10 | 約6.56 GHz |
| TE20 | 約13.11 GHz |
| TE01 | 約14.75 GHz |
bはTE10の遮断式には現れませんが、高次モードを左右します。「高さは適当でよい」「すべて幅の半分にすればよい」とは言えません。推奨使用帯域には既に実用上の考慮が含まれるため、すべての製品の上限を一律25%下げるような規則は不要です。
手順3:管内波長と機械条件を確認する
f > fcでは、理想モデルの管内波長はλg = λ0/√[1 − (fc/f)²]です。WR-90を10 GHzで使用すると、λ0 ≈ 30.0 mmに対してλg ≈ 39.7 mmです。整合構造の長さを自由空間波長だけで決めないでください。
この計算から実際のdB/mや耐電力は自動的には求まりません。導電率、表面状態、形状、曲がり、温度、圧力などを別途評価します。フランジの形式、位置決め、シールと取付空間も確認します。
入力ミスを防ぐ確認項目
- 内部寸法と外形寸法を区別する。
- mmをm、GHzをHzへ正しく変換する。
- TEとTMのモード条件を確認する。通常の矩形中空管にTM10は存在しない。
- 誘電体充填やリッジ構造へ空気充填の単純式をそのまま適用しない。
- 単一点で遮断を超えただけで、帯域全体の損失やモード純度を保証したと考えない。
選定資料にまとめる内容
周波数帯、WRサイズ、内寸、長さ、曲がり、両端フランジ、材料、仕上げ、許容損失、反射、電力条件を整理してください。公差は要求性能と接続規格に基づいて決めるもので、全サイズ共通の値を置くものではありません。
式と実用帯域はMicrowaves101の導波管数学で確認できます。部品比較にはDolph Microwaveの標準導波管一覧をご利用ください(英語)。