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円偏波アンテナの測定|軸比・利得・整合・放射効率

円偏波アンテナは、軸比、偏波の旋回方向、利得、整合、放射効率を区別して評価します。軸比が良いことと放射効率が高いことは同じではありません。VNAでS11を測定するだけでも、円偏波の純度や放射効率は分かりません。

1.軸比:円にどれだけ近いか

偏波楕円の長軸電界振幅をEmax、短軸をEminとすると、線形軸比はAR = Emax/Emin、dB表示はARdB = 20 log10(AR)です。理想円偏波はAR = 1、すなわち0 dBです。1.5 dBや3 dBといった合否値は要求仕様であり、あらゆる用途に共通の理想値ではありません。

既知の直線偏波プローブを伝搬軸まわりに回して最大・最小受信電力を測る方法では、条件が適切ならARdB = 10 log10(Pmax/Pmin)を使えます。電界振幅比に20、電力比に10を使う違いに注意してください。プローブの交差偏波、回転時の位置ずれ、反射を補正・評価する必要があります。

2.旋回方向と交差偏波成分

軸比だけでは右旋・左旋の区別が付きません。直交する電界成分の振幅と相対位相を測るか、校正された円偏波基準アンテナを使います。旋回方向の呼称は観測方向の取り決めに依存するため、測定系と仕様書で同じ規約を採用してください。

主偏波と反対旋回成分の比も重要です。同じ点・同じ基底で評価した理想的な偏波楕円なら、主成分と逆旋成分の電力比は[(AR+1)/(AR−1)]²で表せます。ただし実測ではプローブ補正、雑音床、角度や周波数の条件をそろえる必要があります。

3.利得と放射パターン

目的方向における所望円偏波の利得を測定します。全偏波を合計した利得と、右旋または左旋成分だけの利得を混在させないでください。中心方向の軸比が良くても、ビームの端や帯域端では悪化することがあります。

利得測定には校正済み基準アンテナとの比較などを用います。直線偏波基準と理想円偏波の間には約3 dBの偏波不整合があるため、基準の偏波を無視して比較できません。振幅・位相を取得する測定では適切な偏波変換とプローブ補正を行います。

4.整合:入力で反射する割合

VNAを給電基準面で校正し、S11またはVSWRを測ります。反射係数の大きさを|Γ|とすると、VSWR = (1+|Γ|)/(1−|Γ|)、整合によって受け入れられる電力の割合は1−|Γ|²です。

例としてVSWR 2:1では|Γ| = 1/3、反射電力は約11.1%、整合損失は約0.51 dBです。これは放射効率が88.9%という意味ではありません。受け入れた電力の一部が導体や誘電体で失われる可能性があります。

5.放射効率と総合効率

放射効率は、アンテナが受け入れた電力のうち放射される割合です。整合を含む総合効率とは分けて記載します。理想化された単一ポートの扱いでは、総合効率 = 放射効率 × (1−|Γ|²)です。

放射効率は、校正された放射測定、適切な反射箱測定、利得と指向性の関係などから評価します。軸比、S11、最大利得のいずれか1つだけで一意に求めることはできません。

測定結果に付ける条件

  • 周波数、角度、偏波の規約と主偏波の定義。
  • 基準面、ケーブル・変換器の補正、給電状態。
  • 測定距離と遠方界条件、反射環境、プローブ校正。
  • レドームや取付構造を含むかどうか。
  • 不確かさ、繰り返し性、雑音床による測定限界。

偏波と軸比の基礎はAntenna-Theoryの偏波解説を参照できます。Dolph MicrowaveのSATCOMアンテナを比較する際も、利得・軸比・効率の数値と評価条件を別々に確認してください(英語)。

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