HOME » 衛星通信の距離と遅延|GEO・LEO、往復時間と経路損失

衛星通信の距離と遅延|GEO・LEO、往復時間と経路損失

衛星の高度は、そのまま通信の最大距離ではありません。静止衛星GEOの高度は赤道上で約35,786 kmですが、地上局との斜距離は通常それより長くなります。受信可否はリンクバジェット、遅延は信号が通る全経路で評価します。

高度、軌道半径と斜距離

高度は地表から、軌道半径は地球中心から測ります。GEOの軌道半径は約42,164 kmです。無線経路は地上局と衛星を結ぶため、地上局の位置で距離が変わります。

球形地球のモデルではr = √[(R+h)² + R² − 2R(R+h)cos ψ]です。Rは地球半径、hは高度、ψは地上局と衛星直下点の地心角です。ψ = 0ならr = hになります。

地平線と最低仰角が見通しを制約します。送信電力を増やしても地球の裏側を直接見通せるわけではありません。

静止軌道の条件

静止軌道は赤道面内の円軌道を地球の自転方向へ公転し、周期は恒星日、約23時間56分です。衛星は止まっているのではなく約3.07 km/sで移動します。

地球同期軌道は同じ公転周期を持ちますが、傾斜や離心率があると同じ地上点の上へ静止して見えるとは限りません。地上アンテナの追尾条件も異なります。

LEOとMEO

LEOは一般に高度2,000 km未満の低軌道を指し、500~1,200 kmは一部の衛星群の例です。すべての低軌道の定義ではありません。MEOは一般的な区分でLEOとGEOの間に位置します。

低軌道では地上局から見た位置が変わり、継続サービスに複数衛星と切替えが必要になる場合があります。利用可能性は衛星数だけでなく配置、経路とサービスに依存します。

片道と往復の遅延

一つの区間の伝搬時間はt = r/cです。真上のGEOまで約119 ms、地上–衛星–地上の二区間で約239 ms、応答の往復四区間で約477 msです。

理想化した幾何学的な下限の例であり、実際の斜距離、処理、アクセスと地上ネットワークが加わります。270 msを36,000 kmの一区間の一般値として使わないでください。

高度600 kmで真上なら一区間は約2.0 msですが、インターネット全体のpingが2 msになるという意味ではありません。

200 dBの経路損失を読む

自由空間ではLFS = 20 log10(4πr/λ)です。12 GHz、36,000 kmなら約205.2 dBになります。これは周波数と距離に対応する自由空間損失項であり、音の大きさや送信電力ではありません。

同じ周波数とアンテナ利得なら距離を倍にすると約6 dB増えます。送信電力を倍にした3 dB増加は、他条件が同じ自由空間モデルで距離約√2倍に対応し、必ず19%増えるわけではありません。

物理開口を固定した周波数比較ではアンテナ利得も変わるため、利得固定の結果をそのまま当てはめないでください。

電力、利得と受信感度

EIRPは送信電力、給電損失とアンテナ利得を組み合わせます。5 Wは約6.99 dBWなので、45 dBiの利得と損失ゼロを仮定すると約51.99 dBWです。50 dBWとは一致しません。

必要なSNRは変調、符号化、帯域と品質目標に依存し、全受信機共通の5 dBではありません。雑音温度もLNAだけでなくアンテナと前段損失を含めて評価します。

GEOより遠い通信

深宇宙でも経路に合わせたアンテナ、地上局とデータ速度で通信します。GEO高度は宇宙通信の限界ではありません。計画には最悪距離、視認時間、両端装置と必要サービスを指定します。

資料はESAの軌道解説とFriisの関係式です。数値を比較するときは区間数と前提条件を明示してください。

latest news
Scroll to Top
Blank Form (#3)