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導波管マジックティーの原理|和・差ポートと位相関係

マジックティーは、0°と180°の位相関係で信号を分配・合成する四ポート導波管ハイブリッドです。二つのコリニアポート、和ポートΣと差ポートΔを持ちます。二つの側面ポートが同じ差ポートという説明は正しくありません。

ポートと位相基準を定義

ここではコリニア側をA・B、H面の分岐をΣ、E面の分岐をΔと呼びます。メーカーの番号は異なる場合があるため、図面と測定基準面を先に照合します。

単純に管を十字へ接続するだけで理想的な整合が得られるとは限りません。内部寸法と整合要素を帯域に合わせます。全経路で必ずTE10をTE20へ変換するから動作する、という原理ではありません。

和ポートΣを入力

理想的に整合した回路ではΣからA・Bへ等振幅、同相で分配され、Δは隔離されます。各出力電力は入力の半分で、約3.01 dB下がります。

これは分配による低下であり、半分が必ず熱になるという意味ではありません。実部品の余剰損失と振幅・位相誤差は別に評価します。

差ポートΔを入力

Δの信号はA・Bへ等振幅、逆相、すなわち180°差で分配されます。理想モデルではΣとΔの間は隔離されています。

位相差は指定基準面での値です。異なる長さの外部配線をつなぐと、部品が対称でも測定点での差は変わります。

AとBの信号を合成

整合した一つの位相規約では、正規化した複素進行波に対しbΣ = (aA + aB)/√2、bΔ = (aA − aB)/√2です。

等振幅で同相ならΣへ合成されΔで相殺、逆相ならその逆です。振幅または位相のずれがあると、本来ゼロになるポートにも残留が出ます。

理想入力 結果
Σのみ A・Bへ同相等分配、Δ隔離。
Δのみ A・Bへ逆相等分配、Σ隔離。
Aのみ Σ・Δへ分配、B隔離。
A・B同相同振幅 Σへ合成。

和と差を使う回路

測定ブリッジ、平衡回路と分配ネットワークなどに用います。角度計測系にも和差チャンネルがありますが、システムの精度をティー単体が保証するわけではありません。

複数信号を合成するときは周波数、位相と許容負荷をそろえます。整合終端を要するポートには実際に流れる電力に耐える負荷を接続します。

VNAでの確認

帯域全体で各ポート反射、目的経路の伝送、Σ–ΔとA–Bの隔離、振幅・位相バランスを測ります。測定しないポートの終端を定義します。

隔離が測定系の雑音や漏話に近い場合、表示値だけでさらに高い隔離を保証しません。再接続、校正と外部配線の影響も記録します。

仕様と混同しやすい名称

30 dB以上の隔離、VSWR 1.2以下や位相誤差2°は全製品共通ではありません。帯域、平均・ピーク電力、フランジと環境を型式ごとに確認します。

フェライト位相器は位相を制御する別種の部品です。ECSSという名称や抵抗器の規格を引用するだけではマジックティーへの要求根拠になりません。

形状と位相関係はMicrowaves101のMagic Teesを参照してください。入力波形、基準面と終端を定義することが、分配と合成の結果を再現する出発点です。

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