金属導波管の製造は電磁界設計、材料、寸法、表面と組立検査をつなぐ工程です。全製品に±0.01 mm、めっき5 μm、IP67を指定するのではなく、帯域、形状と使用条件から決めます。ここではRF用金属導波管の七工程を整理します。
1.要求と図面を確定する
帯域、モード、反射と損失の限界、電力、温度、圧力と接続を指定します。加工と検査の基準面・寸法基準を明確にします。
同じ絶対寸法誤差でも周波数と場所により影響は違います。解析モデルを実際の接合、角部と表面へ対応させ、ソフト名だけで精度を説明しません。
2.材料と製法を選ぶ
切削、分割ブロック、管の成形、電鋳などから形状に合う経路を選びます。銅とアルミは導電率、質量と接合方法が異なります。
誘電体導波路は別構造で、金属壁をそのままセラミックに置換して同じ特性を得られるわけではありません。可撓部やコルゲートにも対応する製法が必要です。
3.内部断面と変換部を加工する
内寸、工具半径、縁、穴とばりを管理します。空気充填矩形のTE10ではfc = c/(2a)で、幅aの変化が遮断を動かします。平均寸法が合っていても段差や局所不連続は反射を作ります。
小変化ならΔfc/fc ≈ −Δa/aです。これは感度の目安で、部品全体の承認公差ではありません。表皮深さの半分を全加工公差にする根拠にもなりません。
4.接合とフランジを形成する
ろう付け、溶接と機械締結を材料・構造に合わせます。表面電流に対する継ぎ目の位置、検査のアクセス、残渣と熱変形が性能に影響します。
形状を変える工程後に平面度、開口と穴の相対位置を確認します。全フランジへ同じ締付トルクを当てはめず、ねじと接触構造に合う方法を使います。
5.表面処理を行う
導電層と防食層は機能が違います。表皮深さは周波数、導電率と透磁率で決まり、厚さ、粗さと密着性を設計条件へ合わせます。
アルミの陽極酸化は酸化物層を作るため、RF接点への適用は設計で判断します。すべての接触面へ同じ保護剤を塗ればよいわけではありません。
6.寸法、清浄度と気密を検査する
内部と見えにくい箇所を含め、要求された基準を検査できる測定法を選びます。適合した清掃を行い、保管時には開口を保護します。
気密が必要なら媒体、圧力、許容漏れと試験方法を指定します。IP等級はガス漏れ試験の代わりではありません。施工では部品に無理な荷重を与えず接合と支持を確認します。
7.RF検査と記録
適切な校正面で帯域全体のSパラメータを測ります。多ポートなら非測定ポートの状態と負荷を指定し、接続の再現性と測定不確かさを考慮します。
低電力VNAだけでピーク電力、熱や放電への耐性は証明できません。必要な追加試験を用途に応じて設定します。図面版、材料履歴、主要寸法とRFデータを製品へ対応付けて残します。
ECSS-Q-ST-70-02Cの適用範囲
ECSS-Q-ST-70-02Cは宇宙用材料の熱真空アウトガス・スクリーニング試験を扱います。一般の導波管に共通する加工公差やフランジ平面度を直接定める規格ではありません。
適用するときはプロジェクトの材料、場所と要求に合わせます。Dolph Microwaveの製造工程と導波管の基礎も参照し、具体的な図面と検査条件を合意してください。